MacRitchie

観光地として世界でも名高いシンガポール。

シンガポールに訪れた際は、マリーナベイサンズが位置するマリーナベイ周辺やエンターテイメントの島セントーサ島、ショピングでオーチャードや、異文化を味わいにチャイナタウンなど、メジャーな観光地に行きがちですが…

「シンガポールでも程よく自然を味わいたい」

「脂っこいローカルフードばかり食べているから運動したい」

そんな人にぜひオススメなスポットがあります。

それが「マクリッチー貯水池(MacRitchie Reservoir)」です。

貯水池とだけ聞くと「え…?そんなところに行って楽しいの?」という印象を持たれるかもしれませんが、マクリッチー貯水池はきちんと整備されているトレイルが有名な場所で、適度な運動をしたり自然を満喫したりするには最適な場所なのです。

今回はそんなマクリッチー貯水池について紹介します。

マクリッチー貯水池とは?

MacRitchie
マクリッチー貯水池は1平方キロメートルの原生林が生い茂る中に静かに佇む湖で、シンガポールの4つの貯水池のうちの1つです。

貯水池の周りには、森の中を散歩する遊歩道が整備されています。

遊歩道のコースには3kmから11kmまであり、いたるところに看板が設置されているので迷うことなく希望のコースでのハイキングを楽しめます。

遊歩道では普通に散歩しながら自然を楽しんだり、バードウォッチングに勤しんだりする人もいれば、アップダウンが激しいコースを利用して、トレイルランニングの練習に使うランナーもいたりします。

また湖では、カヤックやカヌーなどウォータースポーツも楽しむことができます。

マクリッチー貯水池はシンガポールの中心地近くに位置し、ダウンタウンエリアからタクシーで15分ほど走ればすぐに到着できます。

公共機関を使うのであれば、Circle LineのMarymount MRT駅から徒歩で10分ほど歩くか、バス(52番, 74番, 165番, 852番, 855番)を使用しましょう。

マクリッチー貯水池の歴史

歴史
マクリッチー貯水池の歴史はなかなかに奥深いので、簡単にだけ説明したいと思います。

元々シンガポールは近年になって急速に発展を遂げた国であり、1800年初頭には本当ほとんどは原生林で覆われていました。

1819年にイギリスがシンガポールを統治するようになり、商業活動が開始されてからは、自然と貯水設備を整えることも求められるようになりました。

資金不足や、それにより生じた建設計画の遅れなど紆余曲折を経て、最終的には、ポンプや配水管網など一部の設備を除いて、1868年に完成しました。

マクリッチー貯水池周辺の原生林は、シンガポールが重要な貿易拠点になるための整備のためや、コショウやゴムなどの作物の栽培のためにほとんど伐採されていましたが、マクリッチー貯水池の建設以降、森林伐採は中止され、周辺地域の森林は保護されるようになりました。

そして実は日本とのつながりもここマクリッチー貯水池で見ることができます。

シンガポールがかつて日本軍に占領されていた時代があったことをご存知でしょうか?

その占領時代の1942年に、日本軍によって昭南神社という神社がマクリッチー貯水池に建設されたのです。

結局はそのたった3年後の1945年、イギリスがシンガポールを再び占領した時に、昭南神社は日本軍自らによって破壊されてしまいました。

ただ神社の遺跡はまだマクリッチー貯水池のエリア内(正確にはThe Singapore Island Country Clubのコース内)に残されており、徒歩でもアクセス可能なところのようですが、自然保護の観点で侵入は禁止されています。

マクリッチー貯水池での、ハイキングやトレイルランニングのススメ

MacRitchieでのハイキング
マクリッチー貯水池のハイキングコースの魅力はなんといっても、人工的なシンガポールで貴重な昔ながらの自然に触れ合えることでしょう。

ハイキングコースには、野生の猿や、野鳥、リス、湖があるので魚はもちろんカメもいますし、運が良ければリザードのようなワニにも出会うことができます。

シンガポールの他の場所にはもちろん、日本でもなかなかこのようなところ無いので珍しいですよね。

ちなみにマクリッチー貯水池でランニングをしていた友人が、野生の猿に、持参したポカリスエットを取られたことがあるらしいので(笑)、こちらの猿はかなり人馴れしている模様。

そこそこ気をつけながらハイキングしてください。

また、ハイキングコースの見どころとしては、HSBC Tree Top Walkという吊り橋がオススメです。マクリッチー貯水池のジャングルを上から見下ろせる高さ25メートル・全長250メートルの吊り橋で、そこから眺める景色は壮観です。

側面や下の床板も金属製のメッシュなので、下が透けて見えてスリル満点です。

この吊り橋が開いているのは火曜日から金曜日までは午前9時から午後5時まで、土曜・日曜・祝日は午前8時半から午後5時まで(いずれも最終入場時間は午後4時45分)となっています。

月曜日は祝日を除き、毎週クローズしていますので、ご注意くださいね。

他にもJulutong Towerという高台に上がることができるところがあり、野鳥観察が好きな方にはここもぜひ登っていただきたいところです。

基本的には90%以上が不整地で、起伏のあるコースになっており、トレイルランニングの練習場所としても素晴らしいコースになっています。

1周11kmのコースが、トレイルコースとしては大人気のコースで、ローカルランナーや外国人ランナーなど集まり、週末はかなりの人で賑わいます。

日差しが強いシンガポールでランニングをするのはキツい時がありますが、マクリッチー貯水池のコースには木々が生い茂っており、ほとんど日陰の中で走ることができるので、無理なく、比較的快適に走ることが出来ます。

歩を進めるうちに見ることのできる、少しジャングルに近いような景色であったり、坂道のアップダウンが激しいところがあったり、涼しげな湖沿いの場所があったり、次々と変わっていくマクリッチー貯水池の多様な表情を楽しんでくださいね。

ちなみに、コース内は基本的には自動販売機がほぼ無いので、不安な人は給水を持っていったほうが無難です。

あとはスタート・ゴール地点にはレストランや洗面所、シャワーやロッカー施設もあるので、たくさん汗をかいたとしても安心です。

実はトレイルランニング大会も開催されている!

MacRitchie ランニング大会
もしこの自然豊かな場所で少しチャレンジングなことをやってみたいなら、マクリッチー貯水池やその周辺エリアがコースになっている“FOREST FORCE 50”という大会が毎年開かれているので、こちらに挑戦してみるのはいかがでしょうか?

コースは15km、25km、そしてなんと50kmのコースが用意されています!

15kmや25kmは、全長で約1.3kmの高低差、そして50kmは全長で2.3km近くの高低差がある、なかなかハードなコースです。

筆者は25kmのコースに挑戦したことがありますが、起伏の激しさや路面状況の悪さ(走りやすい路面ばかりでなく、草が生い茂ったような、ここコース?と疑問に思う場所もありました)があり、普通に25km走るよりは明らかにきつかったです。

しかしながら、ハードできつい分ゴールした時の達成感はひとしおです。

トレイルランニングなのでランニング大会としては少しハードルが高いですが、ランニングが好きな方、何かチャレンジしてみたい方は、ぜひ参加を検討してみてくださいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

マクリッチー貯水池は、シンガポールで数少ない、雄大な自然を体感できる場所です。

普通の観光に飽きた方、自然の中でリフレッシュしたい方、少し運動不足を感じる方などは、ぜひ一度訪れてみてください。

友達や家族と訪れても、きっとみんなが喜んでくれるはずです!

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