
近年、ビジネスの世界で目覚ましい発展を遂げているシンガポール。
英語が通じ、地理的にもアジアをターゲットとした場合に都合がよく、また海外企業に対する優遇税制も相まって、「アジア事業のハブ」として大企業や個人経営者に関わらず非常に人気の高い国となっています。
また、英語での教育や、先進的なカリキュラムを持つシンガポールの学校は、日本を含む海外の人々にとって人気があり、家族全員がシンガポールへ移住する「家族留学」も浸透してきています。
今回は、シンガポールへ移住を考えた時に気になる、現地の物価や実際の生活にかかる費用をご紹介していきます。
シンガポールの物価事情
シンガポールで流通している貨幣は、「シンガポールドル」です。
1シンガポールドル=約82円※となっています。
全体的に、日本の物価とシンガポールのものを比べてみると、ほぼ同等かものによってはシンガポールの物価の方が高いと思われます。
多国籍企業がひしめく、メインシティなどはやはり高めの物価だと言えそうです。
ここから、生活に関係のある項目の物価・価格についてご紹介していきます。
※2018年4月26日現在
シンガポールで物価が高いもの
家賃
近年、特に都市部での発展が目覚ましいシンガポールですが、家賃は日本と比べても比較的高い設定となっています。
以下の表は、日本(東京)の家賃相場と比較したものです。
間取りは、それぞれ1LDKとなっています。
日本(東京) | シンガポール |
---|---|
10万円(郊外) | 15万円(郊外) |
20万円(新宿区) | 20万円(都市部) |
日本国内で、最も家賃相場の高い東京とあまり変わらないか、少し高めの相場です。
しかし、シンガポールの都市部で20万円の賃貸マンションといっても、質素なものが多く、ご家族で移住され、通学や通勤に便利な場所で3LDKほどのマンションとなると、最低40万円は必要と思われます。
学校
最近では、英語で授業が受けられ、さらに独自の教育カリキュラムを持つシンガポールへ子どもを通わせるべく、家族で移住される方も多くおられます。
シンガポール全体の学力は非常に高く、OECD加盟国で行われる、国際学力到達度調査(PISA)では、数学2位(日本7位)、化学3位(日本4位)読解3位(日本4位)という高い水準の教育を行っていることが分かります。
しかし、現地の公立の学校に行くとなると、外国人や永住者は比較的高い学費を納める必要があります。
以下の学費は、公立小学校に6年間通った場合の学費です。
シンガポール内での身分 | 学費 |
---|---|
シンガポール国民 | 0円 |
永住者 | 約65万円 |
外国人 | 約320万円 |
また、現地にはアメリカンスクールなどの、いわゆるインターナショナルスクールも多くありますが、小学校の場合、6年間で約1,500万円かかるため、学費としてはかなり高額と言えます。
車とガソリン
都市部への移住を予定されている方は、バスや地下鉄を利用すれば、楽に移動できますが、郊外から仕事場へ行くとなると車を利用される方もおられると思います。
そこで気になるのが、車とガソリン代です。
シンガポールでは、車は高級品としてみなされており、比較的、排気量の少ない乗用車(1500ccほど)でも600万円ほどします。
シンガポールのガソリン代はだいたい日本の30%~40%高く、1リットルあたり170円前後です。もちろん、原油高の推移によって異なりますが、比較的高い水準と言えそうです。
シンガポールで物価が安いもの
食品
物価と聞いて、最初に出て来るのが食事に関することです。
毎日、必要とされる出費ですので、なるべく安く抑えられて越したことはありません。
シンガポール内の、食品の物価は比較的安く、だいたい以下の水準です。
項目 | 値段 |
---|---|
水500ml | 40円 |
お米5kg | 570円 |
きゅうり2本 | 70円 |
卵10コ入 | 131円 |
缶ビール330ml | 221円 |
日本のものと比べて、比較的安く毎食材は購入できます。
ただし、自給率10%未満のシンガポールでは、ほとんどを輸入に頼っているため、輸入先の国によって値段が変わってきます。
日本産の調味料などは、醤油で800円前後と、かなり高めの値段設定です。
また、レストランは日本と比べても高くなく、特にB級グルメはかなりお手頃な値段で楽しめます。
アルコール類は、安いものもありますが、10%のサービス税+7%の消費税が加算されるため、多少値段は高くなってしまいます。
交通機関
シンガポールの交通事情については、あまり日本には情報が入ってきていません。
実は、シンガポールの都市部では地下鉄やバスなどの公共機関が非常に発達しており、日本よりも安く利用することができます。
通勤や、通学などで毎日使われる予定の方には嬉しい情報です。
MRT(Mass Rapid Transit)と呼ばれる地下鉄とバスの両方で使用できる、運賃支払い用のICカード「ez Link」があり、現地では現金で支払う人はほとんどいません。
項目 | 値段 |
---|---|
地下鉄 | 約64円~(距離によって異なる) |
バス | 約95円~(距離によって異なる) |
タクシー(初乗り) | 約200円 |
他の国へのアクセス
シンガポールは、地理的にもビジネスの世界では人気があります。
その理由は、近隣の国々へ安く、すぐにアクセスできるためです。
行先 | 航空費 |
---|---|
マレーシア | 約1万5千円 |
ベトナム | 約2万5千円 |
カンボジア | 約5万円 |
ビジネス目的で移住される方としては、身動きが取りやすい位置のため、他のアジア諸国への移動はさほど苦になりません。
シンガポールの物価まとめ
ビジネスや、教育を目的とした移住先として近年人気が出ているシンガポール。
今回は、移住をするにあたって気になる物価や費用についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
家賃や学校費用は、やはり日本と比べると高いですが、それ以外の生活面では日本と変わらないか、安い水準のため、あまり心配することはなさそうです。
これから、ビジネス面でも教育面でも、さらに期待されるシンガポールですが、物価面から考えた住みやすさは良いと思われます。
他の国への移住を考えておられる方は、是非シンガポールもチェックしてみてください。