多民族の共存

シンガポールは、多民族国家として有名ですね。

たくさんの民族が集まっているということは、たくさんの宗教も集まっているということです。

この東京23区ほどの小さな国に、シンガポール人だけでなくたくさんの外国人が住んでいます。

どんな宗教があり、どんなふうに共存しているのかをお話していきましょう。

シンガポールの宗教

様々な宗教

シンガポールの主な宗教の比率をまとめました。

仏教 44%

キリスト教 18%

イスラム教 15%

ヒンズー教 5.1%

一方、民族の割合をお話しましょう

中華系 75%

マレー系 14%

インド系 9%

その他 3%

シンガポールは、中華系の人が人口の75%を占めており、仏教を信仰している人が多いのです。

仏教の中でも大乗仏教、その中でも浄土教系が主流といわれています。

シンガポールの仏教は、道教の要素も持っており、純粋な仏教徒ではないことも特徴です。

実際に、シンガポール国内の中国寺院には、仏教の安寺の中に道教の女神の像が一緒に祀られていることがあります。

キリスト教も、中華系の人の信仰が一番多く、シンガポールで一番大きいシティハーベスト教会では、中国語と英語の礼拝が行われているほどです。

イスラム教は、マレー系の人々が信仰しています。

インド系のイスラム教徒、中華系のイスラム教徒も少数ですが存在します。

ヒンズー教には、インド系の人々の信仰が多く見られます。

シンガポールの宗教への理解

祝日

このように、シンガポールでは、多彩な民族や宗教が存在しており、人々もそれぞれの宗教観、文化や習慣を尊重しています。

自分とは異なる宗教のお祭りごとも、同じシンガポール人として祝います。

それぞれの宗教に応じて、シンガポールの祝日は非常に多彩です。

2018年の祝日をまとめました。

月日 名目 関係する宗教 備考
1月1日 正月 共通 世界共通の年始。
2月16日
17日
チャイニーズ
ニューイヤー
仏教 旧暦の正月で、華人社会の正月。
旧暦にもとづき毎年変わる。
3月30日 グッドフライデー キリスト教 キリスト教の復活祭を祝う金曜日。
5月1日 レイバーデー 共通 労働者の日。
メーデー。
5月29日 べサックデー 仏教 お釈迦様の誕生を祝う仏教の祭日。
日本では花祭りと呼ばれている。
旧暦にもとづき毎年変わる。
6月15日 ハリラヤプアサ イスラム教 イスラム教の断食(ラマダン)明けを祝う祝日。
イスラム暦にもとき毎年変わる。
金、土、日曜日で3連休となる。
8月9日 ナショナルデー 共通 シンガポールの独立記念日。
8月22日 ハリラヤハジ イスラム教 メッカ巡礼を祝うイスラム教の祝日。
イスラム暦にもとづき毎年変わる。
11月6日 ディパバリ ヒンズー教 ヒンズー教の伝説の光の祭典。
ヒンズー暦にもとづき毎年変わる。
12月25日 クリスマス キリスト教 キリスト教の祭日。

祝日だけでなく、シンガポールでは、たくさんの民族や宗教が共存できるように、団地や地域での民族の割合が決められていることがあります。

また、特定の宗教や民族への侮辱やネットへの書き込み、喧嘩なども厳しく罰せられるような法律があります。

シンガポールの町と人々の服装

シンガポールでは、インドの寺院や、仏教の寺、キリスト教の教会、イスラム教のモスクが所々に建っています。

それぞれに立派な施設で、人の出入りも盛んにあります。

各宗教が共存していることが伺えます。

また、シンガポールでは各民族の衣装もよく見かけます。

インドのサリーやイスラム教の特徴ある服装も珍しいものではありません。

イスラム教のハラルとは

イスラム教では、豚肉やアルコール類が禁止されています。

その他の食材に関しても、イスラム教の教えに則した食材だけを使っている料理を「ハラル」といいます。

ハラルのレストランもたくさんあり、食材も売っています。

雑多な印象のフードコートでもハラルの店があり、ハラルでないものと食器も分けられており、食器を戻す場所も別に作られています。

イスラム教でない人もハラルのものを購入することが可能です。

スーパーでも、イスラム教徒が食べないとされている豚肉は、別コーナーに設置され区別されています。

このように、様々な人々が出入りする場所でも、一つの宗教の決まりことが大切にされています。

シンガポール各宗教の施設

各宗教の主な施設をご紹介しましょう。

仏教

【佛牙寺】

チャイナタウンのランドマークとなっており、赤い建物だけでなく、中も様々な迫力ある仏像が祀られていて興味深いものがあります。

場所:288 South Bridge Road

真っ赤な建物

【シアン・ホッケン寺院】

チャイナタウンにあり、中国の伝統技術を駆使した1839年に建てられた寺院です。

釘を使用せずに建てられたこの寺院は、シンガポールの記念建造物に指定されており、観光スポットとなっています。

場所:158 Telok Ayer Street

シアンホッケン寺院

ヒンズー教

【スリ・マリアマン寺院】

シンガポール最古のヒンズー教寺院です。

チャイナタウンの真ん中に位置しています。

場所:244 South Bridge Road

スリマリアマン寺院

【スリ・クリシュナン寺院】

ブギスストリートの近くにあるヒンズー教寺院です。

中国寺院の観音堂が隣接しており、他民族国家であるシンガポールの特色が表れています。

場所:152 Waterloo Street

クリシュナ寺院

イスラム教

【サルタン・モスク】

アラブストリートのシンボルになっているモスクです。

お祈りの時間帯は、観光客の入場が制限されます。

場所:3 Muscat Street

サルタンモスク

【マスジット・アブドル・ガフール】

黄色と緑の色使いが印象的です。

人通りが激しく賑やかなリトルインディアにあるにもかかわらず、モスク内は静まりかえっています。

場所:41 Dunlop Street

キリスト教

【セント・アンドリュース大聖堂】

近代的な高層ビルの中で、一層目立つ存在の教会です。

場所:Coleman Street

教会の中

【セント・グレゴリウス・アルメニアン教会】

ヒル・ストリートにあるこの教会は、1835年に建設されたシンガポール最古の教会です。

場所:60 Hill Street

シンガポールの宗教まとめ

シンガポールの多彩な宗教、他民族の共存の様子をお話しました。

普通に街を歩いていてもその様子が垣間見えるほど、シンガポールでは日常の光景です。

他民族、色々な宗教があるシンガポールでは、日本人や他の外国人も受け入れられやすく、生活もしやすいのは、そのせいかもしれません。

多様性を受け入れるということを、難なくやってのけるシンガポール人には感心するばかりです。

関連記事