検査をする医者

シンガポールは、1年を通して暑い熱帯気候です。

湿気も多く、日本とは違った病気がありますので、ご紹介しましょう。

体調が悪いと感じたら、早めに受診しましょう。

蚊が媒介する病気

検査をする医者
蚊が媒介する病気は、デング熱とジカ熱が代表的です。

どちらも有効なワクチンがなく、特効薬もないため、感染すると対症療法を行って回復を待ちます。

「感染したかも」と思ったら、早めに受診しましょう。

手遅れになると重症化する恐れがあります。

デング熱

デングウイルスを持った蚊が媒介する病気です。

シンガポールでは、毎年数千人が感染すると言われています。

多くは無症状ですが、感染後3−7日後に発熱・頭痛・発疹などの症状があります。

まれに、出血性デング熱(鼻・皮膚・消化管の出血)となり、入院治療が必要なこともあります。

蚊に刺されない対策が必要です。

ジカ熱

ジカウイルスを持った蚊に刺されると感染します。

2016年にブラジルで多くの感染者が出ました。

妊婦さんの感染では、胎児に小頭症になる可能性が指摘されています。

同年、シンガポールでもジカ熱の感染者が出ました。

2018年5月現在、感染者はそれほど多くはありませんが、まだ完全に終息されていないのです。

ジカ熱の特徴は、感染しても8割の人は症状が出ないことです。

残りのの2割の人は、蚊に刺されてから2−7日後くらいに発症します。

症状は、発疹・発熱(微熱)・結膜充血・関節痛・頭痛などです。

妊婦さんに限らず、蚊に刺されないように対策が必要です。

ジカ熱には、特効薬はなく、対症療法で治療します。

シンガポールの蚊対策

シンガポールのコンドミニアムやHDB(公団のようなもの)の建物の周囲では、定期的に殺虫剤が散布されます。

デング熱が発生すると、地域の掲示板や建物の壁に「この地域でデング熱○人発生しました」という垂れ幕が掲げられ、注意喚起がなされます。

また、蚊は水たまりなどに発生するため、蚊が発生するような環境がないかどうかのチェックに回ってきます。

各家庭へ連絡なしに不定期にやってきて、蚊が発生するような環境がある場合、改善するように指導されます。

鉢植えの水たまり、桶などに水がたまらないように注意しましょう。

食中毒

吐き気
細菌やウィルス、毒素に汚染された水や食べ物が原因で起こります。

症状は、下痢、おう吐、発熱、体力のない人は脱水症状や意識障害などを引き起こすことがあります。

近隣の国々に比べると、シンガポールは比較的衛生的な環境といえますが、高温多湿な気候から、食品の保存や調理には細心の注意が必要です。

レストランなど、比較的衛生的な場所での外食でも食中毒を起こすことがあります。

なまもの、氷、水などに気をつけましょう。

また、卵は日本と殺菌処理の方法が違うため、で食べないようにしましょう。

買い物には、保冷材や保冷バッグなどを活用するといいですね。

ウィルスに汚染された貝などから感染するA型肝炎は、食中毒症状の数週間後に、頭痛、筋肉痛、黄疸などの症状が現れます。

A型肝炎は、ワクチンで予防できますので、体調が良いときに接種しておくといいですね。

インフルエンザ

風邪のぬいぐるみ
インフルエンザは、冬の病気というイメージですが、冬だけではなく、暑い南国のシンガポールでも発生します。

シンガポールは赤道に近いため、北半球と南半球の冬の時期にインフルエンザの流行があります。

日本よりも感染の機会が増すとは驚きですね。

インフルエンザは、咳やくしゃみの飛沫による呼吸器感染症です。

高温多湿といいながら、室内では年中クーラーを使用しますので、意外と空気が乾燥しています。

また、換気ができにくい建物の構造も一因になります。

シンガポールでもインフルエンザワクチンが普及していますので、家族で接種することをおすすめします。

ヘイズ

公害
近隣諸国での大規模な野焼きや森林火災の煙が、季節風によってシンガポールに運ばれて起こる煙害です。

9−12月にかけて起こり、焼け焦げたにおいがして空気は白くよどみ、視界が悪くなります。

症状は、目やのどの痛み、咳、鼻水、皮膚のかゆみなどを引き起こします。

喘息や心臓病などの持病を持つ人は、悪化する可能性がありますので注意が必要です。

手洗いやうがい、外出時にはマスクをするなどの対策が必要になります。

あまりひどいときには外には出ないという選択も重要で、実際に幼稚園や学校などが休みになることがあります。

ヘイズや大気汚染の状態がわかるアプリがありますので、活用してみてくださいね。

myENV

環境庁が開発したアプリ。

ヘイズ以外にも、天気、デング熱、洪水の注意報を発信しています。

Haze Singapore

時間単位でヘイズの状況が確認できます。

大気汚染基準指数(PSI)をわかりやすく表示しでいます。

虫刺され

ダニなどの虫刺されに悩まされる人もいます。

ソファーやベッドに棲みついている可能性があります。

ベッドの生活になりますので、マットレスを干すことが少なく、湿気を含んで虫の温床になりやすいです。

気になる場合は、部屋のオーナーに相談して、交換してもらうのもいいでしょう。

日焼け

シンガポールは、1年中夏の日差しが続いています。

紫外線の量もとても多いので、日焼けによるトラブルが心配です。

外遊びには帽子や日焼け止めを使用しましょう。

突然の雨が降ることも多いため、シンガポールの人は雨傘を日傘としても使っています。

暑い日には、脱水も心配ですね。

シンガポールは、あちこちにジュースを売る店があったり、自動販売機があります。

水を持ち歩くなど、こまめに水分補給ができるといいですね。

子どもに多い病気

子供の病気
シンガポールで子どもに多い病気をまとめました。

特に小さな子どもは気をつけて、早めの受診を心がけましょう。

手足口病・ヘルパンギーナ・咽頭結膜炎

これらは3大夏風邪と言われ、シンガポールでもよくある病気です。

放っておかず、受診しましょう。

手足口病は、水疱状の発疹が手、足、のどや口のまわりなどにできます。

以前に死亡例があった関係で、シンガポール政府は手足口病に対して非常に敏感です。

日本ではないことですが、幼稚園などは通園禁止になります。

通園を再開するときには、医師の診断書が必要です。

ヘルパンギーナは、のどに水疱ができて、激しい痛みがあります。

咽頭結膜炎は、発熱や口内炎、のどの痛みによる脱水に注意しましょう。

このような感染症かかった場合、のどごしの良い豆腐やゼリーアイスクリームなどの食べ物が摂りやすいでしょう。

のどが痛いので、水分が摂りにくいようだと、脱水に注意が必要です。

アタマジラミ

アタマジラミは、学校や幼稚園で発生することがあります。

子どもが頭を掻いていたら、頭髪の根元をチェックしてみましょう。

アタマジラミの卵の大きさは1mm以下です。

白っぽい粒(アタマジラミの卵)を見つけたら要注意です。

家庭で駆除剤を使用する必要があります。

寝具やタオルなどは、熱湯や乾燥機で高温処理しましょう。

まずは、通っている施設や医師に相談しましょう。

まとめ

シンガポールでよくある病気や注意する病気をお伝えしました。

日本でもよく聞く病気もありますが、デング熱やジカ熱などのめずらしい病気もあります。

シンガポールの医療水準は、日本と同等か分野によっては日本よりも高いといえます。

安心して受診できますので、調子が悪いと思ったら、早めに受診しましょう。

シンガポールライフを健康に過ごせるといいですね。

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