シンガポールでは、バスや地下鉄などの公共交通機関が充実しています。
タクシーも日本に比べると格安です。
でも、仕事で車を運転することもあり、運転免許証の取得が必要な方もいらっしゃるでしょう。
ここでは、シンガポールで車を運転するために必要な運転免許証を取得する方法や交通情報、レンタカーなどについてお話します。
運転免許証取得方法
シンガポールで車を運転するには、運転免許証が必要です。
シンガポールの運転免許証を取得するには、2パターンの方法があります。
- ①日本で使用していた運転免許証を、シンガポールの免許証に書き換える方法
- ②シンガポールで新しく運転免許証を取得する方法
シンガポールで使える 3つの運転免許証
シンガポールでは、国際免許証や日本ので使用していた免許証の翻訳証明書があると、新たにシンガポールの運転免許証を取らなくても運転ができます。
ただし、期限付きですのでご注意を。
- ①国際運転免許証 (シンガポール到着日より12か月間有効 )
- ②日本の運転免許証の翻訳証明書 (シンガポール到着日より12か月間有効 )
- ③シンガポールの運転免許証
シンガポールの運転免許証へ切り替える方法
諸外国の運転免許証を持っている方が、シンガポールに12か月以上滞在した場合は、シンガポールの運転免許証の切り替え手続きをしなければ、車を運転することはできません。
切り替えのためには、シンガポール交通警察が行うBasic Theory Test(学科試験 ) を受けます。
もちろん、試験は英語で行われます。
試験に合格すると、シンガポールの運転免許証への切り替えができます。
交通警察で免許証の切り替えの申請を行った後、シンガポールの運転免許証が郵送されてきます。
①登録と学科試験の予約
シンガポール運転免許証への切替えをするには、自動車教習所に登録して学科試験の予約をします。
②必要書類(コピー不可)
- ・パスポート
- ・EP 等の在留許可証
- ・費用( 受験料+登録料、教習所実施の講習参加する時は要確認)
③学科試験
学科試験は、申請した教習所内で交通警察が行います。
試験当日に受験票を受け取り、パソコン画面に必要事項を入力していきます。
テストは3択式、パネル方式で解答する方法です。
全部で50問あり、45問以上の正解で合格とされます。試験時間は、50分間です。
④学科試験終了後の手続き
学科試験を終了すると、合格か不合格かの結果が画面上に表示されます。
合格した場合は、交通警察で免許証切替え申請を行います。
1か月前後で、郵送でシンガポールの運転免許証が届きます。
⑤合格後の申請時に必要な書類等
- ・パスポート
- ・EP 等の在留許可証
- ・有効な日本の運転免許証、有効な国際運転免許証、または日本大使館が発行する日本の運転免許証の翻訳証明書のうちいずれか
- ・手数料 50ドル
- ・写真1枚(パスポートサイズでカラー写真)
日本の運転免許を失効してしまったら
シンガポール滞在中に、日本の運転免許証を失効してしまったっ場合、次のような方法で免許証交付が受けられます。
できるだけ早めに対処しましょう。
- ①失効後6か月以内の場合、所定の講習を受講して適正試験に合格すると、免許証が交付されます。
- ②海外駐在などの止むを得ない事情で、失効後6か月以上3年以内の場合は、帰国後1カ月以内に所定の講習を受講して適性試験に合格すると、免許証が交付されます。
止むを得ない事情なしに失効後6か月以上、または3年を超える場合、新しく運転免許証取得が必要になります。
シンガポールの道路事情
道路は、朝夕の渋滞もありますが、それほどひどい混雑はありません。
また、左側通行で、標識も日本とそれほど変わらないため、車を運転するのにはそれほど困らないでしょう。
高速道路
シンガポールには、現在、高速道路が10本あります。
その名前は、「ECP(East Coast Parkway)」「PIE(Pan Island Expressway)」など、アルファベットの3文字で呼ばれています。
通行料金は無料で、出入り口には料金所もありません。
しかし、一部の区間では渋滞緩和の目的で、ERP(Electronic Road Pricing)が設置されており、時間によって通行料金が徴収されます。
高速道路の通行速度は、最高90km/hです。
トンネルなどの一部の区間は、安全を考慮して70−80km/hに設定されています。
各所に監視カメラが設置されており、スピード違反の取り締まりをしています。
高速道路の総距離は163kmで、一番長くても43kmしかないため、サービスエリアや駐車場はありません。
EPR電子料金収受システム
ERP(Electronic Road Pricing)は、日本の高速道路にあるETCと同じようなシステムです。
渋滞を緩和させる目的で、市街地などに設置されています。
道路に大きなゲートがあって、その下を車が通ると車のダッシュボードに設置されている受信機が反応し、自動的に料金が徴収されます。
駐車場
市街地のショッピングセンターやビルには、駐車場があります。
道路脇にも駐車スペースがとってあることもあります。
HDB(公団のようなもの)の中にも来訪者用の駐車スペースがあり、30分60セント程で安く駐車できるようになっています。
空き状況の電子掲示板もあり、便利です。
車の購入
シンガポールでは、新車の価格が日本の約3−5倍で非常に割高となります。
なぜかというと、車は全部輸入車なので車自体の価格が高いのです。
もう一つの理由は、シンガポール特有のシステムがあります。
シンガポールで車を所有するためには、COE(車両権)といって、車を購入するための権利を買わなければなりません。
近年、このCOEの価格が上昇しており、車を購入するのに非常にお金がかかるようになりました。
日本では、100万円で購入できる車でも、シンガポールでは300万から500万円、もしくはそれ以上かかるかもしれません。
車を運転することによる道路税やメンテナンスにかかる費用も高額です。
特にエアコンは年中使用することが多いため、故障もしやすく、修理代も数千ドルになることもあるのです。
また、購入者がローンを組む場合、前金として30−40%の支払いが必要となり、返済期間は最長で7年までという規制があります。
車を所有するのは、なかなかハードルが高そうですね。
レンタカー
シンガポールでもレンタカーがあります。
保険から道路税、定期メンテナンス、24時間の修理、事故時の取替などの諸経費がすべてカバーされています。
レンタカーは、車を購入するよりも経済的になっています。
レンタカーの車種やレンタル期間、借りる人の年齢などによって料金が変わってきます。
ComfortDelGro Rent-A-Car Pte Ltd
https://www.cdgrentacar.com.sg
事故時の対応
負傷者がいる場合、救急車(電話:995)を呼び、応急処置をします。
人身事故や当て逃げ、政府所有物との接触事故の場合は、警察(電話:999)への通報が必要です。
警察が到着するまでは、やむを得ない場合を除いて、車両の移動は禁じられています。
また、シンガポールの事故処理制度に準じて、事故発生後は24時間以内、または翌営業日までに、保険会社指定の修理向上または、IDAC(事故車両の届け出及び損害状況の確認登録施
設)に車両を持っていく必要があります。
自動車保険
日本のように自賠責(強制保険)、任意保険のような区分はありません。
対人賠償(搭乗者賠償を含む)は、法律で義務付けられている強制保険です。
対物賠償は、乗用車500万ドル、商業車・トラック50万ドルという賠償が一般的です。
対人賠償、対物賠償、車両保険が含まれた総合保険となっています。
まとめ
シンガポールでは、交通ルールや道路環境など、日本と違うことがありますが、国際免許証があれば車の運転が可能です。
ただし、車の購入は非常に高額になります。
レンタカーもありますので、自分の生活スタイルに合わせて選びましょう。
※シンガポールでは、公的な手続きに関することがよく変更されます。その都度、関係省庁に確認が必要です。