シンガポールについて「東京とあまり変わらないくらい都会」という印象を持つ人も多いかもしれません。しかし、都心部から少し離れてみると、至るところに公園などのネイチャースポットがあり、うまく都会と自然が融合していると感じます。
そして、それはこの国が“シティー・イン・ア・ガーデン(庭園の中の都市)”を目指しているからだと思います。
今回は、家族、カップル、友達と行きたいシンガポールのネイチャースポットをご紹介します。
ボタニックガーデン
出典:https://thehoneycombers.com/singapore/singapore-botanic-gardens-park-what-to-see-do-and-eat/
世界遺産に登録された植物園としても有名な“ボタニックガーデン”。
ボタニックガーデン駅から歩いてすぐと、初めてでもアクセスしやすい場所にあります。
週末ともなると、ここでウォーキングしている人がいたり、アクティビティをしている人たちがいたり、芝生の上でヨガや瞑想を行っている人たちがいたりと、多くの人で賑わう、シンガポールの人々の憩いの場所です。
しかし、その歴史はとても古く、開園はなんと1859年。
150年以上もの長い歴史を持つこの植物園は、シンガポールの歴史においても重要な役割を果たしてきた、東南アジアにおける植物研究の中心地でもあります。
特に1800年代後半にはゴムの木の研究がここで行われ、マレー半島全域でゴムのプランテーションが作られていくきっかけとなりました。
後にこれが、20世紀初め、ゴムの産業で東南アジアに大きな利益をもたらすこととなり、また、さらにはタイヤの生産と自動車産業を発展させる要因になったのです。
こういった自動車産業の促進へ貢献した歴史的背景も理由の一つとなり、2015年にユネスコの世界文化遺産に登録されています。
敷地は82ヘクタール(東京ドーム約17個分)と広大で、1周するのに3~4時間もかかるほど。
下に紹介する“ナショナルオーキッドガーデン”以外にも、白鳥が泳ぐ姿を見られる“スワンレイク”や、世界でも最も背の高い樹木の間に作られた、高さ8メートル、長さ260メートルの高架を歩ける、“SPHウォーク・オブ・ジャイアンツ”、週末に演奏会が開催されたりもする憩の場、“シンフォニーレイク”など見どころは尽きません。
1日いても飽きないほどですが、疲れすぎないように休憩しながら楽しみましょう。
また、毎月第一土曜日午前10時にはレインフォレスト(熱帯雨林)エリアを中心に、ボランティアの方による日本語ガイドツアーが開催されています。
都合が合えば参加してみるのもいいでしょう。
http://sgbotanic-jpguide.blogspot.com
ナショナルオーキッドガーデン
出典:https://www.nparks.gov.sg/sbg/our-gardens/tyersall-gallop-entrance/national-orchid-garden
1ドルコインにも小さく描かれている、シンガポールの国花・オーキッド(蘭)を集めた“ナショナルオーキッドガーデン”。
こちらは某観光情報サイトにおいて、数あるシンガポール観光スポットの中で、なんと人気ランキング第1位。
「有料だが、それでも行く価値あり」という声が多い理由は、1000を超える原種と2000以上の交配種からなる、約6万本の蘭が咲き誇る、その見応え。
世界最大規模の蘭園で色々な種類の蘭があり、見ていて飽きません。
カラフル&フォトジェニックなインスタ映えする写真スポットもたくさんあるので、ぜひ行ってみてください!
入場料:大人5ドル、12歳以下の子供は無料
ガーデンズ・バイ・ザベイ
出典:http://www.gardensbythebay.com.sg/en.html
ベイフロント駅から徒歩約10分。
101エーカーの広大な土地に、映画アバターの世界を再現したような、近未来型大型植物園が広がっています。
スーパーツリーと呼ばれる高さ25~50メートルの人工樹が何本も立ち並ぶ、都会的なガーデンアイランド、シンガポールらしい公園と言えるでしょう。
公園内には、世界最大のガラス温室施設として2015年のギネスワールドレコードに掲載された“フラワー・ドーム”、そして世界で最も高い、高さ35メートルの人工滝があるドーム、“クラウド・フォレスト”もあります。
こちらの2つのドームは有料ですが、この公園自体は誰でも入場無料で入ることができます。
歩き回ってスーパーツリーを見たり、子供が楽しめるキッズ用の公園に行ってみたり、またはシンガポールの3つの主要民族グループ、中華、マレー、インディアンの文化をテーマにしたヘリテージガーデンを見て回ったりして、無料でも十分に楽しめます。
園内はかなり広いのですが、ベンチも多いので、休憩しながら回りましょう。
夜にはスーパーツリー周辺で無料のナイトショーも開催されており、こちらも人気です。
OCBCスカイウェイ
出典:http://www.singapore-guide.com/attractions/gardens-by-the-bay.html
16万2900種以上の植物が植え付けられている人工樹、スーパーツリー。
中でも25メートル級の2つのスーパーツリーの間には、長さ128メートルの細い回廊“OCBCスカイウェイ”が通っており、そこを歩いて楽しむことができます。
こちら有料にはなりますが、エレベーターで地上22メートルまで上がって、見晴らしのいい景色を楽しむことができるとあって、観光客に人気。
回廊は網目状になっており、高さがあるので少し怖いかもしれませんが、スーパーツリーを間近に見ることができ、おもしろい体験ができるはずです。
スーパーツリーとマリーナベイ・サンズを同時に写し込める、絶景の写真スポットも見つかります。
料金:大人8ドル、子供(3〜12歳)5ドル
フラワー・ドーム
出典:http://www.citytours.sg/attractions/singapore/gardens_by_the_bay_flower_dome.html
常夏のシンガポールにあって、高度な温室術を使い、涼しく、乾燥した、永久の春を再現したのが“フラワー・ドーム”です。
美しい花々が咲き誇る大花壇のほか、南アフリカやオーストラリアの植物を展示した庭園、バオバブやオリーブの木など、5つの大陸からのエキゾティックな植物を展示しており、様々な花、植物を見ることができます。
また春の季節には桜の展示を行うなど、季節に合わせた展示物も催されているので、何度も行きたくなってしまいます。
クラウド・フォレスト
フラワー・ドームとはまた一風変わって、高山植物を集めたドームが“クラウド・フォレスト”です。
中に入るとまず目に入るのが、高さ35メートルの、世界で最も高い人工滝。
緑いっぱいの山のてっぺんから水が流れ落ちる景観はすがすがしく、圧巻です。
エレベーターを使い、頂上まで行くと、標高2000メートルの世界が再現されたロストワールドが広がっています。
蘭やシダなどが密集する頂上の景観を楽しんだら、山の周りを取り巻くクラウドウォークとツリートップウォークという散策路を使って降りていきましょう。
霧の噴射によって作られた人工のミストもあり、雲の中を歩いているように感じるかもしれません。
料金:フラワー・ドーム&クラウド・フォレストの入場料
大人28 ドル、子供(3〜12歳)15ドル
イーストコーストパーク
出典:https://www.straitstimes.com/singapore/more-open-space-family-friendly-amenities-at-east-coast-park
地元や観光客、年間700万人が訪れる人気の公園“イーストコーストパーク”。
週末ともなると、15キロ以上に渡って延びるビーチでのんびりする人やバーベキューを楽しむ人たちの姿を多く目にすることができます。
近くでレンタサイクルを借りて、サイクリングをするのも定番の楽しみ方。
大きなホッカセンター、“イースト・コースト・フード・ラグーン”もあり、様々なシンガポール料理のほか、サテーやチキンウィングなど、ビーチ&ビールに合う料理が楽しめます。
最寄り駅はユーノスやケンバンガン駅になりますが、どちらからも少し遠いので、タクシーやバスを利用していくのが便利。
サザンリッジズ
“サザンリッジズ”とは、マウント・フェーバー・パーク(Mount Faber Park)、テロック・ブランガ・ヒル・パーク(TelokBlangah Hill Park)、ホート・パーク(Hort Park)などシンガポール南部の公園を繋ぐ、全長10キロの遊歩道のこと。
アウトドア愛好家や自然が好きな人たちに人気で、週末、早朝からこのあたりをウオーキングしているシンガポーリアンも多いです。
朝早く起きて行ってみるのもいいでしょう。
歩道はきちんと整備されており、軽装でも歩けるので安心です。
今回下にご紹介したスポットを回る場合は、ホート・パーク→テロック・ブランガ・ヒル・パーク→マウント・フェーバー・パーク→ハーバーフロント駅というコースで回ることもできますし、その逆でハーバーフロント駅からスタートして向かうこともできます。
マウント・フェーバー・パーク
出典:https://www.littledayout.com/2017/06/05/mount-faber-park-7-things/
サザン・リッジズの中で一番東に位置する“マウント・フェーバー・パーク”。
セントーサ島からケーブルカーを使ってマウント・フェーバー駅までアクセスすることができますが、ハーバーフロント駅D出口から徒歩で行くこともできます。
ただし徒歩で行く場合、マウント・フェーバー・パークはその名のとおり、高台にあり、上り坂や階段があるので、結構キツく、いい運動になりますのでご承知を。
マウント・フェーバー駅からさらに上がったところには、展望台ミニ公園、“フェーバー・ポイント”があり、そこには小さなマーライオンの像もあります。
ヘンダーソン・ウェーブ・ブリッジ
出典:http://www.visitsingapore.com/see-do-singapore/architecture/modern/henderson-waves/
マウント・フェーバー・パークとテロック・ブランガ・ヒル・パークを繋ぐ“ヘンダーソン・ウェーブ・ブリッジ”。
ウェーブと名のつくとおり、波打つような曲線的なフォルムがとても美しい遊歩道です。
自然いっぱいの景色が楽しめる散歩コースとしてはもちろん、アートな写真が撮れるスポットとしても人気。
夜にはライトアップされて、また違った雰囲気を楽しめます。
テロック・ブランガー・ヒル・パーク
出典:https://www.treehugger.com/sustainable-product-design/singapores-park-in-the-sky.html
テロック・ブランガー・ヒル・パークには、全長1.3キロの遊歩道“フォレストウォーク”があり、週末ともなればトレッキングをする人たちで賑わっています。
フォレストウォークという名のとおり、遊歩道の周りや下には植物が生い茂っており、まるでジャングルの中を歩いているような不思議な感覚。
シンガポールの自然を肌で感じ、リフレッシュできるでしょう。
ホートパーク
出典:https://www.channelnewsasia.com/news/singapore/new-therapeutic-garden-opens-in-hortpark-8022072
珍しいガーデニングとライフスタイルをテーマにした公園。
園内にはガーデニンググッズが買える園芸店があったり、リサイクルをテーマにした庭園があったり、花や観葉植物を取り入れたライフスタイルを紹介するショールームがあり、見ているだけでも楽しめます。
しっかり手入れされた、美しい庭園風景を眺めるだけでも、癒されるでしょう。
ネイチャースポットに行く際のポイント
ネイチャースポットに行く際は歩きやすい靴で!虫除け、水、折り畳み傘、タオルは必携です。
今回ご紹介したネイチャースポットに行く場合は、歩いても足が疲れない、また汚れても大丈夫な靴を履いて行くのがオススメです。
また虫除け、水、折り畳み傘は必携。
暑いシンガポール、熱中症になってしまう可能性もあるので水をたくさん飲みながら散策しましょう。
また、晴れていても突然雨が降ってしまうこともあるので、常に傘は持ち歩くのがいいでしょう。
まとめ
都会的な雰囲気、建物が好きな人だけでなく、自然が好きな人だって楽しめるのがシンガポール。
中心地から少し離れた場所にもたくさん素敵な公園があります。
公園でのんびりピクニックをしたり、散策をしたりして過ごすのはシンガポールの人々の休日の楽しみ方の一つ。
在住者になったつもりで、自然あふれる公園でゆったりとした休日を楽しんでみてはいかがでしょうか。