シンガポールの主要な民族である、中華、マレー、インドの人々。

街では当然これらの民族の人たちをよく目にしますし、駅などで英語、中国語、マレー語、タミール語の4カ国で書かれた表示を目にすることも多いでしょう。

18~19世紀にそれぞれの国からシンガポールにわたってきて、移り住んだ人たち。

そんな彼らの民族文化が色濃く反映されたエリアがシンガポールには存在します。

足を運んでみると、当時彼らがどんな思いで知らない土地で頑張っていたのか、そんな歴史の一端を垣間見られるような場所もあります。

彼らの食べるものを食べ、彼らの行くお店に入ってみて、彼らの信じる宗教の寺院、モスクに行ってみると、なんとなく、その国の文化を感じられるかもしれません。

また、多種多様な民族、文化が混ざりつつも、侵されることなく共存している、不思議なシンガポールの魅力も体験できるかもしれません。

リトル・インディア

インド人

シンガポールの人口において、約9%を占めるインドの人々。

そんなインドの文化を感じられるエリアが、ダウンタウンの北東部、セラグーン・ロードを中心に広がっているリトル・インディアです。

この辺りに行くと、ひときわ、「インド系の人たちの姿を目にするなあ」と感じるかもしれません。

もともと、ここにインドの人たちが集まるようになったのは、 1840年初め。

肉や牛乳の供給源として、また輸送手段として牛の貿易業が盛んになったその頃、連れてこられたインド人労働者の人たちがここに住み着いて、コミュニティを形成したと言われています。

今でもスパイスや花、さまざまな匂いが混じった空気が漂い、サリーを着た人が行き交い、エキゾチックな華やかな寺院も多い、独特のカルチャーが感じられる場所です。

ここへ行ったならば、ぜひインドの人々に混じって街歩きしてみましょう。

インドの人たちが好むゴールドのアクセサリーショップを覗いてみたり、インドの神様・ガネーシャの像を売っているお店に入ってみたり、インド料理屋さんに入ってみたりしたならば、もう気分はインド!

異国情緒たっぷりの時間が過ごせるでしょう。

レース・コース・ロードにはインド料理店がたくさん

ご飯屋さん

リトル・インディア駅からファーラーパーク駅まで延びるレース・コース・ロード沿いにはインド料理屋さんがずらりと並んでいます。

シンガポールでも本格的なインド料理が楽しめます。

ケルバウ・ロードはフォトジェニック

カラフルなお家 

カラフルな建物が立ち並ぶ、ケルバウ・ロード(Kerbau Road)。

中国南部とヨーロッパの建築がミックスされた建物“タン・テンニア氏の邸宅跡” は多色使いながらセンス抜群です!

リトル・インディア・アーケード周辺でお土産を物色

商店街のように、小さなお店がたくさん軒を連ねているリトル・インディア・アーケード。

インドらしいカラフルな色彩の小物入れや雑貨が見つかり、お土産を物色するのにおすすめの場所です。

メイン通り、セラングーン・ロードにあるヒンドゥー寺院“スリ・ヴィラマカリアマン寺院”

カーリー

リトル・インディアのメイン通り、セラングーン・ロード沿いにあるヒンドゥー寺院が“スリ・ビィラマカリアマン寺院”。

シンガポール最古のヒンドゥー寺院の一つで、いつもインドのひとたちで大賑わいです。

ここは “女神カーリー”を祀った寺院。

殺戮と破壊を象徴するという強すぎる女神様ですが、その悪鬼を滅ぼす圧倒的な女神の強さが、リトル・インディアに古く移り住んできたインド人労働者たちの心の支えになってきたとか。

寺院の塔門や屋根には、たくさんのカラフルなインドの神様たちの彫像がいっぱいで、迫力があります。

営業時間:5:30~12:15、16:00~21:15

ファーラーパーク駅から徒歩5分の“スリ・スリニバサ・ペルマル寺院”

ファーラー・パーク駅から徒歩3分のところにあるヒンドゥー寺院。

こちらもいつもインドの人々で賑わっています。

5段からなるゴープラム(塔門)には、この寺院の主神であるビシュヌ神やほかのヒンドゥー教の神々の彫像がたくさん並び、カラフル。

寺院内も精巧な彫刻や色彩豊かな曼荼羅で飾られています。

営業時間: 6:00~12:00 (土曜日5:30~12:30)、18:00~21:00 (土曜日17:30~21:30)

インドの人にとってのドンキホーテ?24時間大型スーパー、ムスタファセンターに行ってみよう

ファーラー・パーク駅から徒歩約3分のところにある、インドの人たち御用達の大型ショッピングスポット。

インド版、ドンキホーテと表現してもいいかもしれないです。

シャンプーから食品、腕時計まで何でもそろう、24時間営業のお財布に優しいスーパーマーケット。

ここでインドの化粧品やアーユルベーダの石鹸、エスニック食材などをお土産に買って帰る人も多いです。

アラブストリート&ハジレーン

サルタンモスク 

ブギス駅から徒歩約10分、シンガポール最大最古のイスラム教寺院、サルタンモスクのあたりはマレーの文化が濃いエリア。

もともとは川の河口の漁村だったことから、マレーの言葉で村という意味を持つ“カンポン(kampong)”と、ここで生育し船造りに使われた“グラム”ツリーからとって、地元の人にはカンポン・グラムと呼ばれています。

1822年、シンガポール・建国の父ともいわれるスタンフォード・ラッフルズ卿がここをマレー人やアラブ、ブギスの商人たちのために割り当て、ムスリム人コミュニティの生活拠点になりました。

メインストリートの一つであるアラブ・ストリートは、今でもシンガポールに住むムスリムの人たちの生活を支えています。 

また、アラブ・ストリートの隣の小さな通り、ハジ・レーンはかわいい雑貨のお店などが立ち並び、観光客に人気。

なお、安息日の日曜日はお店が閉まっていることあるので、できるなら避けるのがおすすめです。

シンガポール最古のイスラム寺院サルタンモスク内に入ってみよう

サルタンモスクの中
 
1824年にサルタン・フセイン・シャーによって建築されたといわれている、シンガポール最大最古のイスラム教寺院。金のドームがゴージャスなアラブ・ストリートのシンボルです。

土曜日~木曜日の10:00~12:00、14:00~16:00、金曜日の14:30~16:00には飛び入りの訪問者も受け付けてくれていて、モスクの中に入ってお祈りの様子を見ることができます。

運がよければ日本語ガイドさんが案内してくれることも。

女性は長袖のトップス、スリットなどが入っていないボトム、男性は袖のある上着&ロングパンツでないと中に入ることができませんが、緑色のイスラム服を貸してもらえる場合もあります(数に限りあり)。

シンガポールの竹下通り?アンテナの高いファッション雑貨が集まるハジ・レーン

独自の個性をもった、おしゃれなショップが集まっているとあって、多くの若者が集まるハジ・レーン。

かわいいアクセサリーやセンスある洋服、おしゃれなバーなど、見ているだけでも楽しいです。

ところどころの壁にアートが描かれており、写真スポットとしても人気になっています。

夜もまた雰囲気が違って素敵

夜の街並み

夜にはモスクもライトアップされて、また違った雰囲気を楽しめます。

アラブ・ストリート界隈にはレバノンやトルコなど中東料理のお店が立ち並んでいるので、ビール片手に異国情緒たっぷりの夜を楽しむのもおすすめです。

エスニックな香り漂う、さまざまな料理を楽しんでみましょう。

少し歩いてブギスストリートまで行ってみよう

ブギス駅から歩いて1、2分、ショッピングモール、ブギス・ジャンクションの向かいにあるのが、何やら怪しい雰囲気漂う“ブギスストリート”。

お値打ちの雑貨やおもしろTシャツ、お土産にもいいシンガポールTシャツなどが所狭しと並べられていて、アジアの夜市のような雰囲気です。

メインロードから横に抜けるとさらにたくさんのショップがあります。

掘り出し物を見つけに行ってみるのもおもしろいでしょう。

チャイナタウン

チャイナタウン 

リーズナブルなお土産物や掘り出し物が見つかるショッピングスポットであり、美味しい中華料理屋さんも多い、チャイナタウン。

シンガポールの約7割を占める中華の人たちの歴史、文化に触れられるエリアとして、ここを拠点にした観光ツアーも多く開催されています。

このチャイナタウンの始まりは19世紀初め。

スタンフォード・ラッフルズ卿がシンガポールを貿易港として開港した約2年後、中国の福建省から初の移民が夢を求めて船に乗り、シンガポールへやってきました。

彼らが船の着岸ポイントに近いチャイナタウンを生活・仕事の拠点としたことから、それが現在に繋がっていると言われています。

ちなみに、シンガポールではチャイナタウンが“牛車水”と表記されています。

これは開拓当時、まだ水道管も引かれておらず、移住してきた人々が井戸から牛車を使って水を運んでいたことが名前の由来となっています。

1989年に政府により保護地域として指定され、今でも独自の文化を保っているチャイナタウン。

中華の人たちのパワーを感じられる場所です。

シンガポールのパワースポット新加坡佛牙寺龍牙院(ブッダ・トゥース・レリック寺院)

ブッダ

チャイナタウンの中心部にある、大きな存在感を放っている唐代様式の寺院。

シンガポールのパワースポットとも言われています。

ミャンマーで見つかったブッダの歯が最上階には展示されており、一般観光客も遠目に見ることができます。

きらびやかなたくさんの仏像、お祈りする人々、仏教の世界を体感することができるスポットです。

近くのホッカセンターで有名チキンライスにトライ

チャイナタウンの中心部にあるホーカー(屋台街)“マックスウェル・フードセンター”は人気のお店が集まっており、いつも多くの人で賑わっています。

「手軽に食べられて美味しい」と人気のお店はチキンライスの“天天海南鶏飯”。

メディアに取り上げられることも多いお店で、ここのチキンライスをお目当てにわざわざ来る人も。

いつも行列ができています。

味香園甜品(Mei Heong Yuen Dessert)

かき氷

シンガポールの有名かき氷屋さん。

ストロベリーやマンゴなど、種類豊富なかき氷のほか中華デザートも楽しめます。

街歩きに疲れたら、甘~いスイーツでもいかが?

異文化ストリートを歩く際の注意点

これらのエリア街歩きをする場合は、特にそれぞれの文化に敬意を払って観光したいものです。

特に寺院やモスクなどの宗教施設を訪れる際には過度な露出は避け、また、写真撮影禁止、土足禁止などの注意書きがあった場合は、それに従うようにしましょう。

慣れないうちの街歩きは迷ってしまうこともあるかもしれません。

日が暮れてから行くのはできるだけ避け、まずは明るいうちに歩いてみるのがおすすめです。

当然日本と違って海外なので、貴重品の管理にも気を配りましょう。

無料の観光ツアーに参加してみるのもオススメ

モンスターデイツアーズでは、毎日9:30~12:00に、今回ご紹介した異文化ストリートを中心に回る無料の観光ツアーを開催しています(英語ツアー)。

スタッフの人がシンガポールの歴史や、文化を説明しながら案内してくれるので、参加してみるとシンガポールについての理解が深まるはず。

ツアーに参加するためには予約も必要なく、当日、待ち合わせ場所に行けばいいだけなので、思い立ったときに参加できるのが嬉しいです。

いろいろな国から来ているツーリストと一緒に回るのも楽しい体験。

おすすめです。

モンスターデイツアーズ
https://www.monsterdaytours.com/free-walking-tours 

まとめ

旅行の楽しみの一つがその土地の文化や歴史を感じることではないでしょうか。

今回ご紹介したエリアはいずれも歴史があり、それぞれの民族の文化を垣間見ることができるエリアです。

ぜひ、観光リストの一つに加えて、行ってみてくださいね。

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